第24回広島大学外国語教育センター 外国語教育研究集会 シンポジウムに参加して

こんばんは。先週の金曜日、テスト期間中に振替休日を頂いて今年も広島大学のシンポジウムに参加してきました。

外国語教育センターで開催されているもので、今年で24回目を迎えるそうです。今年のテーマは「英語の音声指導ーその理論と教室内での実践方法ー」ということで、近畿大学の菅井康祐先生、広島修道大学の岡田あずさ先生、神戸大学の大和知史先生の御三方のお話でした。菅井先生と大和先生は下記リンク先でスライドを公開されています。

菅井先生スライド

http://www.slideshare.net/KosukeSugai/2015-45504947

大和先生スライド

http://www.slideshare.net/otamayuzak/24-45541185

音声指導といっても様々なアプローチがあり、お話は多岐にわたるものでした。

菅井先生はまずリスニングの2つの処理としてボトムアップ・トップダウン処理を取り上げ、リスニングの複雑さとその複雑さゆえの個人差について興味があるというお話からスタートされました。

その後ご自身の研究について触れられ、リスニングテストで同等の点数をとった学習者でも音素レベルの聞き分けができているかを調査すると学習者ごとに結果に差があり、従来のリスニングテストでは学習者の音素の知覚能力を弁別することはできないという論を示されました。

リスニングテストはどうしても選択式になりがちで、正直「勘頼り」の生徒もいることを実感していたのですが、音素の聞き分けまで考えていなかったので興味深く拝聴していました。

そして、リスニング力を高めるための指導法としてシャドーイングを提案されました。

シャドーイング→音声情報の知覚の自動化に効果的

リピーティング→文処理・理解に効果的

というお話は私にとって新鮮でした。教材や生徒の習熟度を考えて活動を選ばないといけないなぁと再確認。

菅井先生はまた、学習者のレベルに合ったリスニング指導の方法として「スピーチレートの調節」「ポーズの挿入・伸長」を挙げられました。これは、習熟度が低く、個々の音の認識ができない学習者には速度を落とした音を聞かせ、ある程度音が聞けている学習者にはナチュラルスピードの音をポーズを開けて聞かせることが効果的だというものです。確かに「なんとなく音は分かるけど内容が難しい」というものをゆっくり流されても理解は促進されませんよね。院生の時おぼろげに習った記憶がありましたが、改めて意識しようと思いました。

岡田先生も菅井先生と同じく音声指導におけるシャドーイングのお話でしたが、菅井先生がリスニング(リピーティング・シャドーイング)による内容理解の側面をお話されたのとは対照的に、シャドーイングによって英語のプロソディー指導が出来るのではないか、という産出面中心のお話でした。

シャドーイングを繰り返すことで発話速度が上昇し、イントネーションやリズムも向上の傾向にあったという結果を示され、モチベーションの面からもシャドーイングは一定の効果があるだろうという結論でした。

リスニングを目的とした教材と、スピーキング(プロソディー習得)を目的とした教材をそれぞれ挙げられ、プロソディー指導の方は習熟度が中〜上級の話をされたので、ここでも生徒の習熟度を考える必要を感じました。

初めて考える内容が多く、勉強になるお話でした。岡田先生のご発表の後の質問で出た「その結果を得るために一番いいのはシャドーイングなのか?」や「シャドーイングが上達した生徒でも、自分の書いたスピーチ等を読む際にプロソディーに問題があるのはなぜか?」という疑問はとても大切だと思いました。

菅井先生もぽろっと仰っていましたが、シャドーイングってそれ自体を評価する必要はないんですよね。あくまで方法であり、評価対象は理解や産出な訳ですから。もちろん、関心・意欲・態度を評価するためにはある程度見ないといけないこともあると思いますが。

最後の大和先生はそれまでのお2人にも共通するお話で、「じゃあ音声指導で伸ばすべき英語のプロソディって何?」という疑問に答えるような内容でした。

プロソディ指導の3つのポイントとして

①母音のあるところに拍がくる

②拍が2つ以上になれば、強弱をつける

③強い拍が複数になれば、その内の一つを目立たせる

を挙げられていました。

内容語のうち、最後に来るもの(重要なもの)でピッチが変化するのが原則で、そうならない場合は意図があるというお話を聞いて、リスニング(スピーキング)と理解を繋げるために大切な知識だと思いました。

絵本”Frog and Toad”を使ってプロソディ指導をする実践も教えていただき、ぜひしてみたいと思いました。生徒が知っている話(ごんぎつねなど)の英語版を黙読させて強く読むと思われる箇所に下線を引き、音声を聞いて自分の予想の答え合わせをした上で音読練習なんてしたら面白そうです。

ワークショップ形式で実際に活動しながら興味深く聞かせていただきました。

今回のお話を聞いて、今まで自分があまり考えていなかった英語の音声について多くのことを学ぶことが出来ました。普段はどうしても内容理解に重きを置いてしまい、音声指導まではほとんど手がまわらないのが現状です。もちろん高校3年間だけで英語に関する要素全てを教えることは出来ませんが、教師側が知識として持っておくのは大切だなと感じました。そして、生徒の習熟度や教材の特徴に応じて活動を取捨選択出来るだけの振り幅を持っておきたいと思いました。

そして、(特に音読など音声面の)指導をする際は、必ずその活動の目的や意義を説明しないといけないと再確認しました。菅井先生がお話の中で「シャドーイングを実施する前にright/lightなどを発音し、聞き分けられたか聞いてから活動に入る」と言われていて、とてもいいなと思いました。出来なかったことが授業で活動して出来るようになると嬉しいですよね。そういう素直な気持ちを大切にしたいです。

長々と書いてしまいましたが、今年も非常に勉強になりました。今後もぜひ参加し続けたいと思います。

シンポジウムに参加された方で、訂正・追加がございましたらお教え下さい。

発表者の先生方、企画運営をしてくださった広大の先生方、夜の部でお世話になった先生方、先輩、ありがとうございました!

おかげで非常に有意義な勉強ができました。

今までとの違いに戸惑う部分もありましたが、前に進むしかありませんよね。

新年度、何年生の担当になるか分かりませんが、ひとまず中学の教科書の復習と一年生用の教材研究をしようと思います。

ではまた*゜

卒業式を終えての反省とこれからへの抱負

高3担任として初めて迎えた卒業式が昨日無事終わりました。

午前中はお休みを頂いたので、自分なりの振り返りというか、反省をまとめたいと思います。

◯クラスの生徒にかける時間に差があった

私は現在高校教員を始めて2年目が終わろうとしています。1年目である昨年度のクラスはかなりやんちゃな生徒(女子ばかりですが)もいて、生活指導でいっぱいいっぱいになっていた時期もあります。頭ごなしにガンガン言っても反発して関係が悪くなるのが目に見えたので、注意はしつつも話をしっかり聞いて気持ちを理解しようと心がけていました。その方法は間違っていなかったと思いますが、真面目にきちんとしている生徒と向き合う時間があまり取れなかったという反省点があります。

掃除の時や授業前の休み時間など、折にふれて全員に話しかけるようにはしていましたが、難しかったです。一部の生徒にばかり意識を向けるのではなく、もっと全体的にしっかりフォローしてあげたかったなというのが一つ目の反省です。まぁ高校生ともなると「先生かまって!」みたいな生徒は非常に少なく、放っておかれた方が気楽な子が多かったのも分かってはいるのですが。

◯クラスとしての方向性が定まらなかった

授業して準備して部活の仕事してその他の校務分掌こなして…という毎日で、「どんなクラスにしたいのか」という目標を自分の中で考える余裕がありませんでした。1年目の去年は前述のとおりにぎやかなクラスだったので、にぎやかにしている数名がクラスの雰囲気を作っていた部分もあります。ですがやはり担任として、自分の考えるクラスの方向性というものは確立しておくべきだったように思います。実状に合っていない理想ばかりを追うのは生徒にとって迷惑以外の何物でもないと思いますが、ある程度の目標を掲げ、状況に応じて柔軟に対応することで、クラスのカラーというか方向性を定めるという方法もあったのかなと思います。

一方今年担任をしたクラスは、高3ということもあってか生徒が自分たちで色々進めてくれ、私はあまり干渉する必要がありませんでした。クラスの感じや生徒の発達に応じて、関わり具合を考える必要もあるなと思いました。

◯進路指導のための勉強不足

これは今年度本当に課題でした。担任をしていたクラスは理系で、医療系や工学系に進みたい生徒が多くいました。しかし私はバリバリの文系で、理系の大学や学部についての知識がほとんどなく、手探り状態。本やネットで調べたり、周囲の先生に相談したりと自分なりに試みてはみましたが、十分ではなかったと思います。偏差値や家庭の事情が希望にあっていて「どれにしようかな」と選べる生徒は少数派で、多くの生徒は自分の学力でどこまで行けるのか、行ける中でどこが一番自分のしたいことが出来るのかと模索していました。生徒の話や保護者の方のお考えを聞いて最善を考えるよう心がけていましたが、もっと教師側からアドバイスや提案をすればよかったのかなぁという後悔に似た気持ちもあります。偏差値だけでなく、就職率や取得可能な資格、その子への適性までを考えるのはとても難しいですが、来年度からは長い目で見て早めに動き出そうと思います。

考え出してみると、ああすればよかったこうすればよかったという気持ちは尽きません。今回は担任としての思いだけでしたが、これに授業での後悔も書き始めると、本当にキリがありません。考えるのをやめて流れに身を任せたくなります。ですが、有限な時間と資源の中で出来る事を考えておかないと、またすぐに3年間が過ぎてしまいそうです。そうならないために、気づいたことや考えたことはきちんと言葉にして残しておこうと思います。自分の中の教師像はまだまだあやふやで、理想と現実のギャップは大きくて、悔しくて泣きたくなることもあります。2年間で白髪も出現したし。

でも、昨日卒業した生徒の素敵な、誇らしげな表情を見て、教師って本当にいい仕事だな~って改めて思いました。生徒と同じく、自分も学び続けようと思います。まずは上記の反省を元に、時間配分や生徒との関わりを明示的に分かるログ的なものを書き始めようかと思います。誰とどれくらい関わったかが分かれば、話していない生徒に優先的に声掛けをすることも出来ると思うので。また、進路指導についてはこちらから色々提案できるくらい知識を蓄えようと思います。本等で知ることも大切ですが、教師以外の友人や知人から話を聞く機会も大事ですよね。色々な世界を知って、生徒の未来を少しでも広げてあげられればと思います。

以上、長々とまとまりのない文章をお読みいただき、ありがとうございます。ご意見・ご感想等いただけると今後の糧になりますのでお気軽にお願い致します。

ではまた*゜

「大人はどうして働くの?」と問われた時に

珍しく2日連続の更新です。今日は最近読んだ本について。

大人はどうして働くの?』日経BP社(2014)

様々な業界で仕事をする7名の方が各々の仕事論を語られています。「子ども編」「大人編」に分かれていますが,内容はほぼ同じです。

池上彰さん,有川浩さん,三浦しをんさんなどのお名前があったので手に取りましたが,他の方のお話もとても面白かったです。

特に印象深かったのが心臓外科医である天野篤さんの書かれていた働く理由。

天野さんは働く理由を「恩返し」だと言います。自分を応援してくれた人に働いて恩を返すことが,働く理由だと冒頭で断言します。

大人編では少し長く,以下の様に書かれていました。

「働く意味は何か,と問われたとしたら,私は『自分がこの手で得てきたすべてのものを注ぎ,世のため人のために尽くし,恩を返していくことである』と答えます。」(p.137)

天皇陛下の手術を執刀されたほどの方がおっしゃるからかもしれませんが、とてもずしり,と感じました。

教師という,分かりやすく人のためになる仕事(実際そう評価されるかは別として…)に就いている身として,漠然と感じていたものでも,はっきり言葉で見ると身が引き締まりました。

私は今,母校で働いています。そして私が勤務校で私なりに一生懸命働く理由も「恩返し」です。お世話になった先生方の,学校の,力になれればと思って働いています。でも,天野さんのように自分がこの手で得てきたすべてのものを注ぐことが出来ているかは,自信がありません。そうなれたらいいな,ならなくてはな,とふらふらしていた気持ちが定まりました。

そして,家族や友人など,今まで助けてくれた人たちに恩が返せるような大人になろうと思いました。

天野さんはまた,子どもが自分の進む道を決めるまで親や周りの大人は見守るべきだとも言われます。高校生という,進路について考える時期を一緒に過ごす大人として,子どもたちを見守り,見つけた夢は大切に育ませてあげたいと思います。

それぞれの方が,それぞれの経験を踏まえて,それぞれの言葉で書かれています。

どれも読みやすく,考えられるものばかりでした。

私はこの本から読みましたが,同シリーズとして先に出ている『子どもはなぜ勉強しなくちゃいけないの?』と『生きる力ってなんですか?』もあわせて読もうと思います。

みなさんは、「大人はどうして働くの?」と訊かれたら,どう答えますか?または,答えてきましたか?

私は「だって楽しいもの」と笑顔で言えるような大人になりたいです。

働く理由なんて大仰なものがなくても,生きるためには働かないといけません。でも,たまには振り返って,「なんで働いてきたか」「この先何のために働くのか」を考えてみるのも素敵だと思います。

では また*゜

マララさんのスピーチを高校英語授業で使ってみました。

こんばんは。久々の更新です。

受験シーズンまっただ中ですが,担当している高校三年生の中で既に受験が終わった生徒は少し前から自由登校になりました。
残りわずかな高校の授業で何が教えられるかと考えて,三学期の英語Rの授業では「将来の夢」に関するスピーチをしてもらいました。
そしてまだ残りの授業があるクラスでは,スピーチの動画を見せることに。そこで,マララさんのノーベル平和賞授賞式でのスピーチを選びました。

主な理由は以下の2つです。
○分かりやすく,聞きやすい英語。字幕を読む時間が十分あるので途中で諦める生徒が少ない。
 ※以前ジョブズのスピーチを聞かせた時は,字幕が変わるのが速くて途中で断念する生徒が…
○生徒全員に関わる内容。女子が多いクラスでした。

用意したものは,プロジェクタースクリーン(私は黒板に貼るタイプを使用),プリント
プリントには簡単な質問(「マララさんがバスの中で撃たれたのは何年でしょう?」など)と感想を書くスペースを設けました。

使用した動画がなくなっているようなので,別のものですが載せておきます。
画質があまりよくないので,字幕が見にくいかもです…。

1時間の投げ込み教材だったので,ごくごくシンプルな授業手順でした。

①マララさんの写真を見せて「誰か知ってる?」と尋ね,ざっと経歴を紹介。
②プリントにある問題に予想で答えさせる。
③動画視聴(生徒は適宜プリントに答えを書きこむ。途中飽きてそうだったら休憩をはさむ)
④答え確認,感想記入

3クラスで実施しましたが,クラスによって雰囲気はまちまちでした。
多くの生徒が集中して動画に見入っている反面,爆睡する生徒も…。
でも,思った以上にしっかり聞いてくれました。
以下生徒の感想をいくつか。

「今まで聞いたスピーチの中で1番心に響いた。『行動』することが大事だと気付かされた。待っているだけでは世界は変わらないし、変えられない」
「見れてよかったです。勉強はつかれるしだるいと思っていましたが頑張ろうと思いました。」
「子どもの教育や世界の平和について核心をつく言葉ばかりで心に響いた。もっと世界の教育について知っていき,マララさんの考えに少しでも貢献できるような大人になりたいと思いました」

などなど。

最後に見せたクラスは教育関係の進路に進む生徒も多く,非常に熱心に聞いていました。
そのクラスで授業の最後に「私はまじで,教育で世界を変えられると思ってあなたたちを教えてきたよ」と照れのせいで冗談交じりで言うと,予想以上に真剣な眼差しで聞いてくれて,嬉しかったです。

今回は動画を見るだけという単純な,活動とすら呼べないようなものでした。今後はスピーチ活動の前に見せて良いと思う点を挙げさせたり,マララさんのスピーチの一節を暗唱させたりもできるかなと考えています。

※マララさんの国連でのこのスピーチhttps://www.youtube.com/watch?v=iak1X8VedW0もとてもいいです。
この中の”One child, one teacher, one pen and one book can change the world. Education is the only solution. Education First.”はシンプルながら強いメッセージが伝わります。

「英語を通して世界を広げる」というのはとても素敵で,大切なことだと思います。今後とも生徒に色々なことを教えられるよう、まずは自分が学んでいきたいと思います。

ではでは。寒い日が続きますので、みなさまご自愛ください*゜

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全国英語教育学会徳島研究大会に参加して。

 8月9・10日に徳島大学で開かれた全国英語教育学会徳島研究大会に参加してきました。ちょうど直撃してきた台風の関係で日程に急な変更もありましたが、なんとか無事終わりました。

 今回参加して感じたことは大きく2つあります。1つ目は「学び続けることの大切さ」、2つ目は「英語教師は楽しい」です。

 「学び続けることの大切さ」は学会や研究会に参加する度に思うことです。自分の授業の未熟さをひしひしと感じるとともに、「私もこんな授業がしたいなぁ!」「こんな素敵な先生になりたいなぁ!」と素直に感じます。特に中高の現場でお仕事をされている先生のご発表では、日々の忙しさにかまかけてリサーチマインドが枯れてしまいそうな気持ちに喝を入れられる気がします。

 今回何人かの(特に初対面の)先生に「院出てからもこういう会に参加して、偉いね」と言われました。本当に嬉しいのですが、私の場合、こういう場で勉強しないとダメになる一方なのが分かっているだけなんです。部活や分掌で多忙な先生が多い勤務校に、少しでも何かいいものを持ち帰れたらいいなぁと思って毎回参加しています。富山大学の岡崎先生がご発表の中で「高校の英語の授業は(小中と比較すると)本当に変わらない!」と笑いながらおっしゃっていましたが、そんな中で少しでも変化の種を蒔けたらいいなと思います。実際は自分の中で消化して栄養にするので精いっぱいで、なかなか他の先生と情報共有できていないのですが…。

 そして、このような会に参加して指導法や研究法を勉強することだけでなく、自分の英語力を高めるための勉強も必要だなと強く感じました。授業の理想ばかり高くなって、自分の英語力が追い付かなくては意味がありません。自分こそ4技能統合で英語力を伸ばさないとです。

 「英語教師は楽しい」はもう、そのままですね。今回の物販でひつじ書房の『英語教師は楽しい』を購入し、編者の奥住先生にサインもいただきました。ありがとうございました!まだ前半部分しか読めていないのですが、読んでいて本当にわくわくします。目次を見ると後半には厳しい現実の話もされているようですが、それでも希望を持つには十分な内容だと思います。20代の今の内に読めてよかったです。きっと何度も読み返すと思います。

 学会に参加すると毎回思うことですが、私がしたいことはやっぱり研究ではなく授業なんですよね。(研究者になるにはいろいろ不十分だというのも勿論ありますが。)研究発表を聞いて浮かぶのは生徒の顔です。今回は特に実践報告のような発表を中心に聞いたので、なおさらそうでした。現実的にうちの子には難しいかなぁと思う内容(例えば山形のスピークアウトの報告など)もありましたが、何か少しでもいい授業をするヒントはないかなと考えながら聞いていました。英語教師、楽しいです。本当に。嫌な事やうまくいかない事もたくさんたくさんありますが、それでも楽しいなぁと思います。

 今回の学会でも、たくさんの素敵な人にお会いすることができました。お世話になった先生方、ありがとうございました!後輩も何人も参加していて、発表も聞くことができて、とても嬉しかったし頼もしかったです。台風の影響で帰りの時間が予定より大幅に遅れるなどと、大変な面もありましたが、やはり参加してよかったです。パワーをもらえました。今後もできる限り積極的に参加していきたいと思います。

 長い文をお読みいただき、ありがとうございました。みなさまにとってよい夏になりますように*゜

進路指導の難しさ

こんばんは。早いもので、もう6月になってしまいました。今年度は昨年度からの持ち上がりで3年生担任としてばたばたの日々です。

3年生ということで、生徒は進路について真剣に悩む時期です。クラスの生徒はお昼休み等の面談でその時々の考えを把握するようにしていますが、進路指導って本当に難しいですね!クラスの生徒には「何がしたいかわからない」という子はあまりいませんが、それでも殆どの生徒が迷っています。

昨年度担任していたクラスの生徒が、担任でなくなっても相談に来てくれるのは嬉しいです。休み時間の世間話から放課後1時間半かけての進路相談まで、出来る限り助けになれたらいいなと思って話を聞いています。

「何を重要視し、何は譲れない条件なのか」を明確にしておいで、と伝えても、生徒は揺れます。もれなく私も揺れます。ふらふらと、2人でああでもないこうでもないと、推薦入試年鑑やiPadを見てはうなっています。それにともなって終わらない仕事達…。でも、生徒の相談のせいで仕事が進まないと嘆くなら、きっと教師向いてないですよね。

相談に来る生徒に言うわけではありませんが、結局は「行った先で本人がどう思い、行動するか」に尽きると思っています。第一志望に入学して中退する人もいれば、全然行く気のなかった学校で人生が変わる人もいるでしょう。今私にできることは、「いかに大学入学時に後悔のない状態をつくるか」かなぁと思っています。妥協するでもなく、現実離れした高望みをするでもなく、「頑張れば行けるぎりぎりのところを提示しつつ、押さえも用意する」というのは、理想的ですが非常に難しいです。ひと一人の、大きく言えば人生がかかっているわけですから、下手なことは言えません。

私自身はあまり進路について悩まなかったと思っていましたが、そんなこともなかったようです。それを思い出したのは先週の金曜日、お昼休みに生徒と面談した後でした。廊下にある椅子での面談が終わって職員室に戻ろうとすると、同じタイミングで職員室に入ろうとする元担任(私は勤務校の卒業生です)が、にやにやしていました。そこからの私たちの会話です。
私「私が話し聞く側になっちゃいましたよ〜笑」
元担任「ほんとにねー。毎日毎日あなたの相談を聞いたわね」
私「え、私そんなに相談しましたっけ?」
元担任「したわよー。毎日毎日どうしようどうしようって」
私「え〜〜(全然覚えてない…)」

私の記憶力のなさのせいといえばそれに尽きますが、きっと生徒は最終的に自分で判断したということを強く覚えているものなのでしょう。そういう指導を、私もしたいと思っています。

生徒の人生に関われる、なんなら人生を変えるかもしれない、というのは非常に大きなやりがいでありプレッシャーでもあります。少しでも、「この道を選んでよかったな」と思ってもらえるよう、出来る限りサポートしていきます。

授業についてや進路以外のクラス運営についてなど、思うことはたくさんありますが、今日はひとまず進路についてを。諸先輩方の進路指導についてのお考えや経験談など教えて頂けると非常にありがたいです。

お酒の入った頭で思うままに書いたので、まとまりや内容に乏しい記事になってしまいました…。
真夏並みの暑い日が続きますが、体調崩されませんよう、みなさまご自愛下さいませ。

広島大学外国語教育研究センターシンポジウム「ICT を援用した外国語教育 −一斉指導と個別・協同学習の連携−」に参加して。

こんばんは。  

先週の金曜日に広島大学で行われた外国語教育研究センターの催しに参加してきました。

 
午前中はセンター所属の先生方による授業での取り組みやTOEICの制度改革についてのお話,午後はセンターの榎田先生,大阪工業大学の神谷先生,静岡大学の亘理先生によるシンポジウムでした。(http://www.hiroshima-u.ac.jp/schedule/show/id/12985)今回の午後のテーマは「ICTを援用した外国語教育:一斉指導と個別・共同学習の連携」でした。以下簡単に3人の先生方のお話のまとめです。
 
榎田先生「オリジナル英語教材とICTを活用した一斉指導・個別指導・共同学習」
まずは広大Podcast http://pod.flare.hiroshima-u.ac.jp/cms/index.phpのご紹介。リスニングに関しては圧倒的に触れる量が少ないので,このような形で毎週定期的に触れられる機会があるといいですね。授業との連携である程度の「強制」も必要というお話でしたが,それにも同意します。いくらいいよと言っても,勧めるだけじゃ普通の子は中々出来ません。
 
また,榎田先生の授業ではデジタル・ストーリーテリング(電子紙芝居)の試みもされているそうです。
決められた単語を使ってペア(グループ)でショートストーリーを作ったり,多読教材をデジタルストーリーテリングで扱ったり,とても楽しそうでした。レベル次第ではうちの生徒も喜んでしそうです。ただ,こういった試みは一見魅力的ですが,他の内容とのバランスや「何のためにこの内容をこの方法で行うのか」を常に考える必要があるなーと思いました。
 
 
神谷先生「データベースソフトウェアを利用した教材管理・教材提示 −教材データの多目的な利用と外国語授業の活性化に向けて−」
相変わらず神です!私がとやかく言うより,このサイトhttp://dl.dropboxusercontent.com/u/14905265/index.htmlとブログhttp://kmyken1.blogspot.jpをご覧いただければ十分な気がします…。
今回は
①不規則動詞変化形提示ツール
②フラッシュ型例文・対訳提示ツール
③四択問題作成ツール
④Phrase Reading Worksheet作成ツール
の4つについてデモを交えたお話をしてくださいました。
 
この中で私が実際に使ったことがあるのは④Phrase Reading Worksheet作成ツールだけですが,これ本当に便利です!
使い方によって予習・授業中・復習と全てに使えますし,音読もとてもしやすくなります。
生徒にとったアンケートでも好評でした。
 
そして今回のお話を聞いて,その他のツールについてもぜひ使いたいと思いました。
授業時間全てを割くのではなく,帯活動的に5分程度を毎週するだけで,すごく力がつくと思います。
勤務校はあまり習熟度が高くないので,特に①不規則動詞変化形提示ツールはぜひ活用して繰り返し定着させたいところです。
③の四択問題作成ツールはネクステージやスクランブルのような問題集(?)を参考にするとよさそうです。
 
他の先生もTwitterで仰っていましたが,神谷先生は嬉々としてこういった素敵なツールを紹介してくださるので,使う側としてもとても楽しいです。「新しい使い方見つけて今度お会いした時言ってみよう!」くらいのつもりで色々試してます。懇親会で「良い使い方してくださって〜!」と言っていただけて嬉しかったです♡
 
教員の仕事が増える一方な昨今,このような形で少しでも教員が「いい意味の楽」を出来るようになるのはとてもいいことだと思います。そしてそういったツールを開発・無償提供してくださる神谷先生には頭が下がりまくりです。
 
 
亘理先生「協同につながるICT、ICTが活きる協同」(スライドはhttp://www.slideshare.net/youwatari/hiroshima20140307
こちらも神です。
協同学習の概念整理をした上で理論的背景を説明してくださったので,とても分りやすかったです。
結局は「協同学習とICTを完璧に融合させるのは難しいぜ。でも使いようによってはすごく便利だぜ」って感じかなと思ったのですが,乱暴すぎるでしょうか…。
学習者のためのICT,教師のためのICTとして様々なアプリ等を紹介して頂いたので,活用したいと思います。
 
「協同学習」をすれば全てがうまくいくわけではありませんし,そもそもその定義や有効な活用方法などはまだはっきりしない部分が多いようです。 ただ,行う/行わないに関わらず,どのようなものなのか,何が有益で何が問題なのか,をきちんと理解しておく必要はあると思います。今回で今までになんとなくしか分かっていなかったことについてお話が聞けたので,今後は自分なりに試行錯誤して考えを深めていきたいです。
 
 
お話の中だったか質問への解答だったか失念したのですが(おそらく後者ですが),「現段階でICTでなければいけないものはないと思う」という亘理先生のお言葉はとても印象的でした。
私は持ち運びプロジェクター&マグネットスクリーン&Bluetoothスピーカーを使った授業をしていますが,内容自体は黒板にチョークで書き,ラジカセを使っている時とさして変わりません。ただ,板書を黒板に書く時間が無駄なので省略したいことや,音読の際前を向いたほうが声が出やすいという理由で使っています。少数ですが「やっぱり黒板がいい」「天気が良い日は見にくい」という生徒の声もあるので,改善策を考えねばと思っています。そして今回の3名の先生のお話を伺って,今の私のような「以前の授業と同じようなことをICT を使ってする」授業から,「ICT を使うことでより効果的な活動ができる授業」へ進歩させないといけないなぁと切実に感じました。
 
三学期は自身の授業の方法がある程度固まってきたこともあって、なかなか新しいことを取り入れたり授業について深く考えたりすることがありませんでした。ですが今回のシンポジウムに参加することで「もっとちゃんと生徒の事考えて,いい授業しなくっちゃ」という当たり前の気持ちを思い出せました。だから研究会とか学会とか好きです。カンフル剤になります。
 
今回は学年末考査中に消化しようとした振替休日がたまたまこの日で参加出来ましたが,本当によかったです。
広島大学は母校なので,懐かしい先生や後輩にも会えて,非常に充実した1日でした。
色々な方に「元気そうだね」「変わらないね」と(時には苦笑いをされながら)言われましたが,相変わらず私は元気だし生徒は可愛いです。
木曜日の夜から金曜日の午後までお世話になった先生方,先輩などには本当に感謝です。ありがとうございました。
 
学年末考査も終わり,そろそろ生徒は高校3年生,私は教師2年生です。
この1年様々なことがありましたが,最終的な振り返りは成績処理が終わってからしようと思います。
その時,最後の授業で全員にとったアンケートの結果もまとめて書く予定です。
たくさんの人に支えられ,なんとか笑顔で1年を終えられそうなことに感謝です。
 
ここまでお読みいただき,ありがとうございました。
春はもうすぐそこです。
皆さまにとって素敵な春になりますように*゜