第24回広島大学外国語教育センター 外国語教育研究集会 シンポジウムに参加して

こんばんは。先週の金曜日、テスト期間中に振替休日を頂いて今年も広島大学のシンポジウムに参加してきました。

外国語教育センターで開催されているもので、今年で24回目を迎えるそうです。今年のテーマは「英語の音声指導ーその理論と教室内での実践方法ー」ということで、近畿大学の菅井康祐先生、広島修道大学の岡田あずさ先生、神戸大学の大和知史先生の御三方のお話でした。菅井先生と大和先生は下記リンク先でスライドを公開されています。

菅井先生スライド

http://www.slideshare.net/KosukeSugai/2015-45504947

大和先生スライド

http://www.slideshare.net/otamayuzak/24-45541185

音声指導といっても様々なアプローチがあり、お話は多岐にわたるものでした。

菅井先生はまずリスニングの2つの処理としてボトムアップ・トップダウン処理を取り上げ、リスニングの複雑さとその複雑さゆえの個人差について興味があるというお話からスタートされました。

その後ご自身の研究について触れられ、リスニングテストで同等の点数をとった学習者でも音素レベルの聞き分けができているかを調査すると学習者ごとに結果に差があり、従来のリスニングテストでは学習者の音素の知覚能力を弁別することはできないという論を示されました。

リスニングテストはどうしても選択式になりがちで、正直「勘頼り」の生徒もいることを実感していたのですが、音素の聞き分けまで考えていなかったので興味深く拝聴していました。

そして、リスニング力を高めるための指導法としてシャドーイングを提案されました。

シャドーイング→音声情報の知覚の自動化に効果的

リピーティング→文処理・理解に効果的

というお話は私にとって新鮮でした。教材や生徒の習熟度を考えて活動を選ばないといけないなぁと再確認。

菅井先生はまた、学習者のレベルに合ったリスニング指導の方法として「スピーチレートの調節」「ポーズの挿入・伸長」を挙げられました。これは、習熟度が低く、個々の音の認識ができない学習者には速度を落とした音を聞かせ、ある程度音が聞けている学習者にはナチュラルスピードの音をポーズを開けて聞かせることが効果的だというものです。確かに「なんとなく音は分かるけど内容が難しい」というものをゆっくり流されても理解は促進されませんよね。院生の時おぼろげに習った記憶がありましたが、改めて意識しようと思いました。

岡田先生も菅井先生と同じく音声指導におけるシャドーイングのお話でしたが、菅井先生がリスニング(リピーティング・シャドーイング)による内容理解の側面をお話されたのとは対照的に、シャドーイングによって英語のプロソディー指導が出来るのではないか、という産出面中心のお話でした。

シャドーイングを繰り返すことで発話速度が上昇し、イントネーションやリズムも向上の傾向にあったという結果を示され、モチベーションの面からもシャドーイングは一定の効果があるだろうという結論でした。

リスニングを目的とした教材と、スピーキング(プロソディー習得)を目的とした教材をそれぞれ挙げられ、プロソディー指導の方は習熟度が中〜上級の話をされたので、ここでも生徒の習熟度を考える必要を感じました。

初めて考える内容が多く、勉強になるお話でした。岡田先生のご発表の後の質問で出た「その結果を得るために一番いいのはシャドーイングなのか?」や「シャドーイングが上達した生徒でも、自分の書いたスピーチ等を読む際にプロソディーに問題があるのはなぜか?」という疑問はとても大切だと思いました。

菅井先生もぽろっと仰っていましたが、シャドーイングってそれ自体を評価する必要はないんですよね。あくまで方法であり、評価対象は理解や産出な訳ですから。もちろん、関心・意欲・態度を評価するためにはある程度見ないといけないこともあると思いますが。

最後の大和先生はそれまでのお2人にも共通するお話で、「じゃあ音声指導で伸ばすべき英語のプロソディって何?」という疑問に答えるような内容でした。

プロソディ指導の3つのポイントとして

①母音のあるところに拍がくる

②拍が2つ以上になれば、強弱をつける

③強い拍が複数になれば、その内の一つを目立たせる

を挙げられていました。

内容語のうち、最後に来るもの(重要なもの)でピッチが変化するのが原則で、そうならない場合は意図があるというお話を聞いて、リスニング(スピーキング)と理解を繋げるために大切な知識だと思いました。

絵本”Frog and Toad”を使ってプロソディ指導をする実践も教えていただき、ぜひしてみたいと思いました。生徒が知っている話(ごんぎつねなど)の英語版を黙読させて強く読むと思われる箇所に下線を引き、音声を聞いて自分の予想の答え合わせをした上で音読練習なんてしたら面白そうです。

ワークショップ形式で実際に活動しながら興味深く聞かせていただきました。

今回のお話を聞いて、今まで自分があまり考えていなかった英語の音声について多くのことを学ぶことが出来ました。普段はどうしても内容理解に重きを置いてしまい、音声指導まではほとんど手がまわらないのが現状です。もちろん高校3年間だけで英語に関する要素全てを教えることは出来ませんが、教師側が知識として持っておくのは大切だなと感じました。そして、生徒の習熟度や教材の特徴に応じて活動を取捨選択出来るだけの振り幅を持っておきたいと思いました。

そして、(特に音読など音声面の)指導をする際は、必ずその活動の目的や意義を説明しないといけないと再確認しました。菅井先生がお話の中で「シャドーイングを実施する前にright/lightなどを発音し、聞き分けられたか聞いてから活動に入る」と言われていて、とてもいいなと思いました。出来なかったことが授業で活動して出来るようになると嬉しいですよね。そういう素直な気持ちを大切にしたいです。

長々と書いてしまいましたが、今年も非常に勉強になりました。今後もぜひ参加し続けたいと思います。

シンポジウムに参加された方で、訂正・追加がございましたらお教え下さい。

発表者の先生方、企画運営をしてくださった広大の先生方、夜の部でお世話になった先生方、先輩、ありがとうございました!

おかげで非常に有意義な勉強ができました。

今までとの違いに戸惑う部分もありましたが、前に進むしかありませんよね。

新年度、何年生の担当になるか分かりませんが、ひとまず中学の教科書の復習と一年生用の教材研究をしようと思います。

ではまた*゜

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卒業式を終えての反省とこれからへの抱負

高3担任として初めて迎えた卒業式が昨日無事終わりました。

午前中はお休みを頂いたので、自分なりの振り返りというか、反省をまとめたいと思います。

◯クラスの生徒にかける時間に差があった

私は現在高校教員を始めて2年目が終わろうとしています。1年目である昨年度のクラスはかなりやんちゃな生徒(女子ばかりですが)もいて、生活指導でいっぱいいっぱいになっていた時期もあります。頭ごなしにガンガン言っても反発して関係が悪くなるのが目に見えたので、注意はしつつも話をしっかり聞いて気持ちを理解しようと心がけていました。その方法は間違っていなかったと思いますが、真面目にきちんとしている生徒と向き合う時間があまり取れなかったという反省点があります。

掃除の時や授業前の休み時間など、折にふれて全員に話しかけるようにはしていましたが、難しかったです。一部の生徒にばかり意識を向けるのではなく、もっと全体的にしっかりフォローしてあげたかったなというのが一つ目の反省です。まぁ高校生ともなると「先生かまって!」みたいな生徒は非常に少なく、放っておかれた方が気楽な子が多かったのも分かってはいるのですが。

◯クラスとしての方向性が定まらなかった

授業して準備して部活の仕事してその他の校務分掌こなして…という毎日で、「どんなクラスにしたいのか」という目標を自分の中で考える余裕がありませんでした。1年目の去年は前述のとおりにぎやかなクラスだったので、にぎやかにしている数名がクラスの雰囲気を作っていた部分もあります。ですがやはり担任として、自分の考えるクラスの方向性というものは確立しておくべきだったように思います。実状に合っていない理想ばかりを追うのは生徒にとって迷惑以外の何物でもないと思いますが、ある程度の目標を掲げ、状況に応じて柔軟に対応することで、クラスのカラーというか方向性を定めるという方法もあったのかなと思います。

一方今年担任をしたクラスは、高3ということもあってか生徒が自分たちで色々進めてくれ、私はあまり干渉する必要がありませんでした。クラスの感じや生徒の発達に応じて、関わり具合を考える必要もあるなと思いました。

◯進路指導のための勉強不足

これは今年度本当に課題でした。担任をしていたクラスは理系で、医療系や工学系に進みたい生徒が多くいました。しかし私はバリバリの文系で、理系の大学や学部についての知識がほとんどなく、手探り状態。本やネットで調べたり、周囲の先生に相談したりと自分なりに試みてはみましたが、十分ではなかったと思います。偏差値や家庭の事情が希望にあっていて「どれにしようかな」と選べる生徒は少数派で、多くの生徒は自分の学力でどこまで行けるのか、行ける中でどこが一番自分のしたいことが出来るのかと模索していました。生徒の話や保護者の方のお考えを聞いて最善を考えるよう心がけていましたが、もっと教師側からアドバイスや提案をすればよかったのかなぁという後悔に似た気持ちもあります。偏差値だけでなく、就職率や取得可能な資格、その子への適性までを考えるのはとても難しいですが、来年度からは長い目で見て早めに動き出そうと思います。

考え出してみると、ああすればよかったこうすればよかったという気持ちは尽きません。今回は担任としての思いだけでしたが、これに授業での後悔も書き始めると、本当にキリがありません。考えるのをやめて流れに身を任せたくなります。ですが、有限な時間と資源の中で出来る事を考えておかないと、またすぐに3年間が過ぎてしまいそうです。そうならないために、気づいたことや考えたことはきちんと言葉にして残しておこうと思います。自分の中の教師像はまだまだあやふやで、理想と現実のギャップは大きくて、悔しくて泣きたくなることもあります。2年間で白髪も出現したし。

でも、昨日卒業した生徒の素敵な、誇らしげな表情を見て、教師って本当にいい仕事だな~って改めて思いました。生徒と同じく、自分も学び続けようと思います。まずは上記の反省を元に、時間配分や生徒との関わりを明示的に分かるログ的なものを書き始めようかと思います。誰とどれくらい関わったかが分かれば、話していない生徒に優先的に声掛けをすることも出来ると思うので。また、進路指導についてはこちらから色々提案できるくらい知識を蓄えようと思います。本等で知ることも大切ですが、教師以外の友人や知人から話を聞く機会も大事ですよね。色々な世界を知って、生徒の未来を少しでも広げてあげられればと思います。

以上、長々とまとまりのない文章をお読みいただき、ありがとうございます。ご意見・ご感想等いただけると今後の糧になりますのでお気軽にお願い致します。

ではまた*゜